何で、なんて
むしろこっちが聞きたい。


何故、あたしはここに?

何故にあたしがミチルくんの家を掃除しなきゃならないの!?



「じゃあミーコちゃんは掃除機かけてくれる?」

俺は洗い物するから、と西くんはまるで自分の家のように指示を出してくる。


「あ、はい…。」

言われるがまま、なすがまま、仕方なくあたしは掃除機を手に掃除を開始することに。




…にしても、何この部屋。

何て言うか……。


「汚い…、」



そう、そうなのだ。

家にあがった時からだけど、この家には全くと言っていい程、足の踏み場がない。


脱ぎ捨てられた服にアクセサリー、漫画、雑誌、そして空のカップラーメンに、その他もろもろ。

そのほとんどが、どう見ても女モノだった。


…確か、お姉さんが居たんじゃなかったっけ?

じゃあ、これは…。



「それ、姉貴の。」

「ひいいっ!」


突然、背後から聞こえた声に口から心臓が飛び出しそうになった。

拾い上げたあたしの手には、真っ赤なブラジャー。


咄嗟にそれを隠したあたしに、声を掛けた張本人…ミチルくんは二ヤリと口元を歪める。


「お前には、まだそれは早いんじゃねー?」


そんな嫌味さえ
様になるんだから困ったもんだ。