すると、西くんは驚くべきことを言い出した。



「あれ?俺、言わなかったっけ?」

…ええ、何も。


キョトン、と目を丸くする西くんへ静かに頷く。


そしてボタボタと激しく傘を叩く雨粒が、西くんの言葉を遮るように通り過ぎた時。




「エースん家だよ。」


そう言われた瞬間、あまりの衝撃発言に傘を落としかけた。



…ちょいとお待ち下さいね?



「…え?い、今何て?」

聞き間違いかと思い、もう一度訊ねてみる。


だけど、それは愚問に過ぎなかった。



「実は俺、月に一度だけエースの家を掃除しに行ってるんだ。」

「そ、掃除?」

「うん!で、それが今日って訳!」


へぇ~。
そっか、そっか。
なるほどねー、そうゆうことね!

…ってなるか、バカーっ!!!!



「な、何でそれにあたしも行かなくちゃいけないの!?」

「だって俺、掃除苦手なんだもん。」



だもん、じゃなくて!



「ということで、ヨロシクー!」



そうゆうことは先に言って下さーい!!!