そう思っていると、便乗するように明日香ちゃんが続けた。


「そうだよ、あんなに想ってくれてるのにさ~。」

「え?」

「ヒナだって、西くん狙ってたのに!」

「ええ?」

「西くん、みぃこにベタ惚れだもんね。」

「えええ!?」


ちょっと待って!
何それ!

西くんが、あたしに?


そんなバカなっ!



すると、そんなあたしをちづちゃんが唖然とした顔で見つめていた。


「もしかして、みぃこ…。気付いてなかったの?」

「………。」


心底驚いたように、3人の目がまん丸になってゆく。


「ウソでしょ!?」

明日香ちゃんなんて、あたしの肩を掴んで揺らしてくる始末。


「信じられない…。」

ヒナちゃんは開いた口が塞がらないらしい。


「ま、それでこそみぃこだけどね。」

なんて、ちづちゃんは人事のように笑った。



結局、西くんの話題でミチルくんのことは誤魔化すことが出来たらしい。

でもあたしの心に残る、シコリ。



…西くんが、あたしを?


ないないっ!
そんなの、絶対ありえないっ!