どうしてこんなことになったのか。
自分でも、よくわからない。
けど確かなのは、あたしは初めて授業をサボったこと。
『すぐには行けないけど、なるべく早く行きますって言っておいて!』
西くんはすぐには来られないってこと。
そして、あたしとミチルくんは今、二人きりってことだ。
「さっみぃ。」
言葉通り寒そうなミチルくんは濡れたパーカーを羽織り、肩を震わせた。
何故濡れたパーカーを着てるのかと言えば。
「すっ、すみません…。」
無論、あたしがウルサイからに他ならない。
ギロリ、と目を向けられ
あたしはまるで蛇に睨まれたカエル状態。
それでも、あたしは動けず肩を竦ませた。
そんな時、芝生に寝っ転がったミチルくんがおもむろに呟く。
「腹減った…。」
おそらく、独り言だろう。
でも瞬時に反応したあたしは、素早くポケットからアメを取り出した。
「こ、こんなモノでよかったらどうぞっ!」
これはせめてもの償い。
服を濡らしてしまったお詫び、だ。
こんなモノで許してもらえるとは思ってないけれど…。