コトン、と頼りなく地面に落ちるホース。

踏みつけた拍子に転んだあたしは、ゆっくりと顔を上げた。


そこには予想通りの現状があった。



あぁ…終わった。
あたしの人生、短かったな。


どうやらあたしがバランスを崩したと同時に、水しぶきは一直線にミチルくんへかかったらしい。


何故なら
目の前には、びしょ濡れのミチルくん。

金メッシュの入った髪を伝い、ポタリと落ちる雫。


そして、薄く開かれた形のいい唇。



「…おい、みぃことか言うオンナ。」

「はい……。」



…殺される。
きっと海に沈められるか、海外に売られるんだ。


さよーなら。

お母さん、お父さん、深太(弟)

明日香ちゃん、ヒナちゃん、ちづちゃん。


山形のおばあちゃん、おじいちゃん。




「…何か言うことはねーか?」

「ごっ!ごめんなさいーっ!!!」



望月 深子、今旅立ちます!