結局、あの後も散々
西くんと付き合ってみなよ!なんて言われ続けて。
「付き合うって、好き同志じゃなきゃダメでしょ?」
と言ったあたしに
みんなは“そんなことない”と当たり前のように答えた。
「付き合ってから好きになるパターンだってあるよ?」
「そうそう!ヒナもあるし。逆に、好きで付き合っても“違う”って思う時だってあるし!」
「うん、あるある。あたし今のカレシ別に好きじゃなかったもん。」
ち、ちづちゃんまでー!?
そんなこんなで、あたしの頭はキャパオーバー。
みんなの話に全然ついていけなくて。
逃げるようにして駆け込んだのは、やっぱり花壇だった。
いつものようにホースを持ち、水やりを開始する。
だけどどうにも気分が沈みっぱなし。
“好きじゃなくても付き合う”
みんなの言葉がグルグルと脳裏を巡って、あたしは溜め息を吐き出した。
「…そうゆうモノなのかなぁ。」
恋人になるって、もっとステキなことなんだって思ってた。
好きで好きで、たまらなくて。
ずっと一緒に居たいから付き合うんだって。
なのに、恋人になるってそんな軽いモノなの?
そもそも、恋愛経験のないあたしには考えたってわからないけど…。
何となく。
そうゆうのは、違う気がするんだ。