西くんはニコニコとご機嫌そうに、それでも言葉は止めない。
いつもの帰り道が何故か歪んで見える。
ううう~。
誰かああぁぁぁ!
「だからエースは女の子に触られると、ジンマシンが出るんだよ。」
「そ、そうなんですか…。」
「ミーコちゃん、エースに触ったんでしょ?」
てゆーか、ミーコちゃんって…。
もう何でもいいけど。
「さ、触ったって言っても…あたしは肩を揺らしただけです。」
「あー、ダメダメ。それでもエースには拷問だよ。」
今頃悶えてるんだろーなぁ、と西くんはどこか楽しそうに言った。
拷問…。
もしかして、あたしすんごく悪いことしちゃった?
でもでも、そんなこと知らなかったんだもんっ!
だけど。
これでなんとなくわかった気がする。
『ミチルくんって、彼女とかいないのかな。』
ミチルくんに、浮いた噂がない理由が。
彼は女性恐怖症で。
女の子に触る、もしくは触られるとジンマシンが出ちゃうらしい。
だから、そうゆう噂がないんだ。
「…なるほどー。」
と、納得して自己完結させる。
よぉーしっ!
明日、ヒナちゃんたちに話さなきゃ!