「これ、俺のアドレスと番号。なんかあったら連絡してよ。」

「・・・・彼女に怒られるんじゃない。」

「大丈夫だよ、綾香は。」


俺の彼女は器が広い、って言われたみたいでちょっとムカついた。


「気が向いたら連絡する・・・。」

「ハハハ、待ってる。」

「なんか・・・稲垣、先公みてェ。」


車を降りるとき、愛未がそう呟くと稲垣はまた笑って言った。

「そうかな。実は俺、小学校の先生の免許持ってんだ。」

「へぇ。嘘っぽいけど。じゃ、ありがとね。」

「嘘じゃねーよ。」


それだけ言って愛未は車の戸を閉めて、暗闇に消えていった。




「気をつけろよ・・・・。」












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