「世間話はこの辺にしておいて、」 桑田さんが雰囲気を変えるようにそう言った。その声に改めて桑田さんの顔を見る。 …この部屋に呼ばれた本当の理由。 俺がわざわざ指名されるときは必ず、本当の用事が他にある。 桑田さんは相変わらず笑みを浮かべていた。 「今日ユキを呼んだのは、次の依頼をお願いしたくてね」 「…はい」 「ユキにお願いしたいんだ。内容はこの紙に詳しく書いてある。組の情報課が作ったものだから、信用性はある」