今となってはどちらでもかまわないが、あのときの俺にはもう、桑田組に行く以外、自分の居場所を見つけられなかったのだ。




「いらっしゃい、……ユキ」


喧嘩することしか出来ない、世の中なんて何も知らない俺を、あたたかく迎えてくれた桑田さんには感謝している。


組についてもそうだけれど、世の中のことを俺に教えてくれたのは、桑田さんだった。

相変わらず喧嘩することくらいしか出来ない俺だけれど、桑田さんに拾われたときよりは、幾分か大人になることが出来た。