言葉通り、それから桑田組が俺たちに何かをしてきたことはない。 そもそも、その一件で俺たちは事実上解散した。 俺の居場所は、どこにもなくなってしまっていた。 腫れ物扱いする学校、クラスメート。怒鳴るしか能の無い両親。 昔の仲間たちも、それぞれの世界へ戻っていった。 …もしそこまでを計算して、あのとき俺に名刺を渡してきたのだとしたら、桑田肇という男は、計算高いなんて言葉では言い表せないほど計算高い男なのだろう。