「腕1本折れたくらいでそんなに叫ばないでよ」


何でもないことのように、殴りかかられた物腰の柔らかい男は言った。


…何が起きたのか。

一瞬の出来事をすぐには理解できなかった。けれど、たったひとつ、理解した。

こいつらは、ヤバイ。




「やんちゃ坊主のキミタチでも、桑田組、っていう名前は知ってたりするのかな?」


バキッ。再び鈍い音が響いて2人が倒れた。

腕が変な方向に曲がった最初の仲間とは違うようだが、叫び声を上げるだけで起き上がりはしない。