『カオリ…ッ!』


何度も、手を伸ばす。何度も、何度も。

それでも、あのときと同じように俺の目の前でカオリは撃たれて、そして死ぬ。

『愛してる』と言って。


…夢の中でくらい、カオリのことを守れていたら、きっと俺はここまで狂うことはなかったんだろう。




でも、夢の中ですら、俺はカオリを守れない。

今でも鮮明に思い出せるほど、あのときの記憶は俺の頭の中にこびりついて消えようとはしない。