続・彼女が愛した温もり





『ねぇ、私のどこが好き?』




一つだけ今聞かせて


幸せを愛を

体に心に耳に聞かせて






コーキは


私を抱きしめながら


『強いて言えば温かいとこかな』


と言った






香りが


言葉が


温もりが



どんなスイーツよりも

他の誰かに言われるよりも


すごく甘い





『ねぇ?』


抱きしめられてる体を離し

コーキの顔を見る


もう隠し事も
秘密も

必要ない

大切なのは向き合うココロ




『言わなきゃいけない事があるの』



覚悟をきめて‥


真っ直ぐ瞳を見て

言うから


受け止めて






『言わなきゃいけない事があるの』



そう言ったのに‥
決めたのに‥


何も話せないでいた。

ソファに座り
制服のスカートをギュッと握る‥


そんな私を見たコーキが
ギュッと握ったを
優しく開き自身の手を重ねた

この空間にコーキの優しい言葉はいらない-

いるのは握りしめる温もりだけ




全てを話すという事は

全てをさらけ出すという事

悪い事も良い事も‥


万里子にも話したけれど、
それより
もっと詳しく濃い話をしなければいけない


不安が渦巻く

怖い‥
話す事も
拒絶されるかもしれない事も




『話すね‥』

『うん』

もう‥
言わなきゃいけない。。。


『私のパパとママね、離婚したの‥
二人とも恋人がいて。
ひどいなって‥私の事何も考えてない‥って思ったよ。
でも、二人とも私が嫌い。
それこそが理由だった‥』


『娘の事が嫌いな親っているか?』

不思議そうにコーキが聞く。

良かった‥
悲しそうに同情したような顔で聞かれたら話したくなくなる。

なら信じられないって、嘘だろって
そんな顔で聞いてほしい‥


そう、今のコーキの顔のように。



『いるんだよね…
現に、日本には子供が虐待されたりする事件もあるじゃない。
一生懸命、親が子供を育てる。
愛して愛して大切に大切に‥
そんな親が殆どかもしれない。
でも、それは殆どであって全てではない。
親のくせに子供を大切にしない愛さない親もいる』

『まぁ‥そうだな‥』

日本は平和な国。
みんながそう思う間はまだまだ。
結局は事件があって警察が動く。
そんな時代。