「どうしたものかな……」


緩くウェーブのかかった髪を
くるくると指に巻きつけて
乳白色の肌をした美貌の青年は
つと外を眺めた。


真っ青に冴え渡る青空には
白金色に輝く太陽がいて
その下で必死に生きようともがく
人々を眺めているのが目に入った。


「父は無慈悲だな」


血の色よりも濃い赤の唇がキュッと噛みしめられる。

深い緑の双眸は睨むように太陽を見つめ
その瞬間
ギリッという重い歯ぎしりの音が
張り詰めた空間に響き渡った。


『ロシュナンド……』


かすれた小さな声が彼の耳を打った。

太陽から目線を外し、彼は小さくため息をつく。


『ロシュナンド……』


もう一度、声がする。

深い呼吸音とともにする声に
青年ロシュナンドは立ちあがった。