「千亜お姉さん、慧兄のこと好きー?」


「わかんない…かな」


「絶対、好きになるよっ。おもしろいし、優しいもん」


…おもしろいか、どうかは知らないけど。


優しいって言うか…お節介に近い。


「どこだーっ!?」


慧が大声で叫ぶ。
あたし達はゆっくりと動いて、草むらに隠れた。


まだ誰も見つけていないみたいで、焦る慧の顔は…本当におもしろかった。


「僕、千亜お姉さんのこと好きだよ」


「あたしもだよ」


佑里君の頭を撫でて、慧の姿を笑いながら見ていた。


ねぇ、慧。

どうしてあんたが、あたしをここに連れてきたのか、今わかったよ。