慧の家に着いた。

ていうか、家?


「ここ、どこ?」


「児童養護施設」


…何、それ?
児童養護施設…?


あんたの家じゃないの?


「ここ寄ってから、俺ん家ね」


中に入って行くと、子供達が一斉に走ってあたし達を囲んだ。


「慧兄ちゃん、今日は泊まってく~?」


「お姉さん、誰ー?」


「慧兄のカノジョ~?」


子供達が、あたしや慧の手を引っ張る。

小学生くらいの子達がたくさんいて、びっくりした。


「皆、親から虐待受けたりした子達なんだよ」


「…」


男の子の腕にタバコを押し付けられた跡があった。