どうしてだろう。

涙が溢れる。


寂しい、寂しいんだ。


「あたし、拒食症…なんだ」


「…拒食症」


「だから、あんまりさ…」


「俺は逆で過食症だった。まぁ、高校のときだったけど」


過食症。

拒食症とは反対の病気だ。


「治ったのは、昔の彼女が助けてくれてたから。結局、別れたけどね」


慧は自分のお腹をさすり、笑顔であたしの手を握ってきた。


どうして、笑顔でいられるの?


どうして…?