丸くなった写真は、ゆっくりと下に落ちた。


あたしみたいだ。


「いいの?」


「いらないから」


ずっとこの写真をどうしようか悩んだ。

捨てようか…どうしよう。


結局、捨てたけど。


「ねぇ、あんた仕事は?」


「しばらく休み」


「…あたしも、しばらく休みになるよ」


「え?」


「あたし、大学行ってくる。あんた、ここで待っててよ」


慧を残して、走って大学に向かった。

何かになりたい為に大学に進んだんじゃない。