悲しいとは思わない。


やっぱり。って思うだけ。


近づいてきたのは、きっとお金。


真哉がよくキャバクラに行くこと知ってたけど、何も言わなかった。


ただお金を渡して、見送るだけ。


…もともと、あいつもあたしのこと好きじゃなかったんじゃん?


「…あはははっ…今頃気づいた…」


好きっていうのは、あたしじゃなくてお金だった。


今、お金に困ってるから来たんだ。


よかった、慧がいてくれて。


「エンジェル、どーしたぁ?」


寝ぼけている慧があたしの頬を触って聞いてきた。