期待してたわけじゃない。


ただ…何かしてくるんじゃないかって思っただけ。

慧の寝息が聞こえる。

…つまんない。


起こしてやろうかと思った。

でも、今日は…色々としてくれたし、やめよう。



慧の頭を撫でて、目を閉じた。


真哉は、きっとあたしのこと好きじゃない。


きっとじゃない。絶対。


嘘ついてたから、わかる。


嘘つくとき、唇を噛むから。


隣で見てきたから…わかるんだ。


指輪を渡してきたとき、唇を噛んだ。


…嘘…だったんだ。