「じゃ、おやすみ」


慧は床で寝る準備をした。


「ちょっと、何してんの?」


「寝るの」


「…バカじゃん。ほら、こっち入れば?」


「いいの!?」


よくないけど、風邪ひかれたら迷惑なの。


あたしに触れなければ、一緒に寝てもいい。


ギシッとベッドの軋む音が響く。


慧が隣に…って、そんなに意識しなくても。


「おやすみ」


「…おやすみ」


慧は何もしてこなかった。

抱き着いてくることも、ふざけることなく…眠ってしまった。