「これ、受け取れない。ごめん」


「持ってて…」


「嫌って言ってるんだから、ほら帰った」


真哉の胸ポケットに指輪を入れて、扉を開けた慧。


真哉はあたしを見る。


「真哉、あたし…真哉のこと好きじゃなかった」


「うん」


「これからも、友達…っていう感情しかない」


謝ることしかできない。
好きじゃないのに付き合ってた。


寂しさから離れようと、目の前にいた真哉に甘えただけ。


「これから好きにさせるから。だから、また…な」


無理だよ。