「エンジェル~」


慧がリビングから出てきた。

あたしは、さっきより俯いてしまった。


「彼氏?」


「違う」


慧が真哉を指差して、色々と尋ねてきた。


「もう、あっち行ってて」


「…あんた、名前は?」


「榊原慧、よろしく」


「…鷹崎真哉」


慧を睨みながら、握手をする真哉。


慧は気づかずに握手をしている。


バカ、気づきなさいよ。


「帰って」


「…これ、持っててな」


あたしの手の平に…指輪を置いた。


すぐに気がついた。


真哉があたしに言いたいこと。