でも、こいつに涙は見せたくない。


「エンジェル?」


「目が痛いから…ちょっと、目薬探すから、これ…」


「ああ、やっとく」


寝室に駆け込んで、鏡で顔をチェックした。



…おばさんは、知ってた。



あたしが、どんどん痩せてることを。


おばさんは、あたしの母親よりあたしを知ってる。


涙が溢れる。


「エンジェル」


慧が入ってきた。
あたしは、振り返らなかった。


振り返らなかったって言うより、振り返ることができなかった。