「エンジェルって優しい」


「…うるさい」


「照れない、照れない」


照れてないから。
うざいから、やめて。


抱き着いてくる慧の頬をつねりながら、おばさんからもらった大きな箱を開けた。


「…何かいっぱいあるね」


小さな瓶の中には、梅干しとハチミツ。

紙袋の中には、お菓子。

野菜もたくさん入っていた。

おばさんが作った料理もあった。


「いい人じゃん」


「…当たり前でしょ」


箱の底に小さなメモがあった。



『ちゃんと食べるんだよ』



嬉しくて、涙が溢れた。