あたしは、負けず嫌いで怒りっぽくて、素直に笑うことも泣くことも言うことも…できない。


「エンジェル、空キレーだよ?」


リビングから聞こえてくる声。


日記をベッドに置いて、リビングに向かう。


ベランダで、はしゃぐ慧の隣で空を見上げた。



空は真っ赤。

真っ赤な太陽が沈んでいく。


「キレーだな」


「…うん」


太陽が完全に沈む。


「…ありがと」


「え?」


「…何でもない。それより、本当に帰らないの?」


「ん、嫌なら帰る」


嫌ならって…まぁ、嫌だけど。