あたしは『あたし』を理解してた。


それは間違ってた。

理解なんてしてない。


人に怒鳴ることなんて、そんなになかった。


初めてあたしは『あたし』に気づいたんだ。


あたしは、人に何も言えないずるい人間だと思ってた。


でも、違った。

隠してたんだよ。


本当は、怒鳴るとこは怒鳴って、泣くとこは泣いて。


笑うとこは笑うんだ。


「エンジェルー」


あたしは、人とは違うって決めつけてた。


違う人間なんていない。


それは、慧が教えてくれたのかも。