空は相変わらず、綺麗。


遠くから聞こえる人の笑い声、怒鳴り声。


サラリーマンは、暑さに負けず歩いている。


女子高生達は、まだ学校のはずなのに携帯片手に大声でしゃべっている。


『今日も何も変わらない。ただ、ひとつだけ変わった。慧がいなければ変わらなかった。』


…あたし、ずっと同じ繰り返しだった。


ずっとずっと、毎日をムダに過ごしてた。


あたしだけ、時間が止まってた。



あたしだけ。



愛奈や椿、慧は…時間が進んでた。


あたしは、前に進まなかった。


日記を書いてて、初めて気づいた。


『あたし』を。