慧はあたしを近くのベンチに座らせて、何か買ってくると言ってどこかへ行ってしまった。


「情けないなぁ…」


手を見つめながら、慧を待った。

早く拒食症を治さなきゃいけないのに。


「エンジェル、少し飲みな?」


慧からオレンジジュースを受け取り、一口飲んだ。


甘い。


「大丈夫?」


「大丈夫」


「今日は、観覧車でも乗って帰ろうか」


「…ん」


頷いてしまった。
早く帰りたいのに、頷いた。


オレンジジュースをもう一口飲んで、観覧車に向かってしまった。