「警察に…」


「そんな格好してるからイケナイんじゃないの?」


格好…って。
何がイケナイって言うの?


男がじりじりと近づいてくる。


あたしは、とっさにバッグを男の顔面に投げ付けた。


「いっっ……てぇぇ!」


男が痛がってる間に、バッグを拾って走った。


何なのよ、本当に。


椿と同類の男にここまでされると、今日の朝の占いバッチリ当たってるじゃない。


「待てよ!」


腕をつかまれて、男は笑い出した。

気持ち悪い。