「どうした?」


「あ…たし、今日は家帰るね」


「…そっか。気をつけろよ」


「ありがと」


あたしは急いで椿の家を出た。


どうして、あたしは走ってるんだろう。


どうして、あんなやつの為に…走ってるんだろう?


「っ…はっ…はっ…」


家まで、あと少し。

焦って走ったせいで、転んでしまった。


「いっ…たい…」


膝から血がちょっと出た。

でも…行かないと。


部屋へと走る。

苦しいっ…息がっ。


やっと部屋に着くと、扉に寄り掛かっている慧がいた。