あの女を守った慧…あたしは、あんたの為にしてあげただけ。


…まぁ、今頃そんなこと言ってもねぇ。


もう疲れた。


何も考えたくない。

考えたら、考えた分だけ苦しくなるから。


「千亜」


「ん…あ、あたし帰る」


「いや、今日…泊まってけば?」


「悪いからいいよ」


「いいから」


…泊まるって、何かドキドキする。変なことを考えてるわけじゃない。


「じゃ、千亜はベッド使ってな」


「いいよ、あたしソファーで」


「風邪ひくから、ダメ」


あたしは無理矢理、寝室に押し込まれた。