うざかった慧が。


最低な慧が。


頭から離れない。

苦しい。忘れなきゃいけないと思うと…苦しい。


慧があの女を選んだことも。


あたしの為だとしても、それは迷惑なこと。


そんなことしなくても、よかった。


…なのに。


椿の力強い腕にしがみついて、目を閉じた。