「コーヒーでいい?」


「…うん」


マグカップを受け取って、俯いた。

…甘えてる。あたし、皆に甘えてるんだ。


「千亜、大学辞めたから…愛奈がうっさくなった」


「え?」


「千亜がいないとつまんないとか」


愛奈…ごめん、ごめん。

マグカップをテーブルに置いて、色々と考えた。


あたし、自分のことだけを考えてた。


愛奈のこと、全然考えてなかった。


「俺、千亜を支えたい。千亜が泣かないように」


「椿?」


「付き合って…って、言ってもダメだよな。じゃ…」


「あたし、椿のこと好きじゃ…」


「好きじゃなくてもいい。付き合ってくれ」


…どうしてだろう。