あんたが翼なんだよ、羽なんだよ


あんたを失ったら、あたしは『ただの女』になるんだよ。


「…千亜?」


振り返ると、椿がいた。

あたしは、ただ…涙を流していた。


「千亜っ、どした!」


椿はあたしの腕をつかんだ。

声が出ない。

…あたし、もう飛べない。


「俺ん家、近いからおいで?」


椿の腕をつかんで、椿の家へと向かう。


苦しい。


家に着くと、椿はあたしを中へと押し込んでリビングへと走った。


「ちょっ、待って。汚くしてたっ」


急いで片付けをしてから、あたしをソファーに座らせた。