「あんたも、あんた。やれって言われてやるバカは…どこのバカ?」


グラスをおもいっきり、床にたたきつけた。


派手に割れると、女は慧にしがみついていた。


あたしが悪者みたいじゃん。


「…もういい。勝手にすれば」


走って、家から飛び出した。


バカみたい。あんなに必死になって…結局、あたしが悪者みたいになったし。


あたしが必死になっているのに、慧の手はあの女を守っていた。


「…バカヤローっ」


もう嫌。

あんなやつの為に振り回されるのは。