「はいはい、出発しまーす」


「バカ」


慧の頬をつねりながら、『バカ』を何度も繰り返した。


慧は痛いなんて、言いながらも…ちょっと嬉しそう。


もしかしてM?


そんなことを考えていると、慧の家に着いた。


普通の家だった。


庭もあって、たくさんと言っても言いたりないくらい植木鉢が綺麗に並べてあった。


綺麗な花。


「あんた、顔に似合わずって感じ」


「そ?」


「男でも花好きなんだ」


「まぁ、好きかな。エンジェルは?」


「あたしも…まぁ、好き」


花に軽く触って答えた。

花って、見てると落ち着くって言うか。