「あーっ、俺も…」


「殴るよ?」


睨むと、慧は自転車にまたがってチラチラと見てきた。


乗って、慧の背中を抱き着いた。


「…え、エンジェル?」


ハッとして、すぐに離れた。

や、やばいっ。慧の感染したかも。


俯いて、服をちょっとだけつまんだ。


「もー…照れなくていいよ」


「殴っていい?」


「や、ごめんなさい」


やっと出発した。


深呼吸をして、空を見上げた。


…すごく綺麗な空。

…あたし、飛べるかな?


この自由な空を。