「俺がクラスの奴等にいじられてたから苛ついて帰ったのか!?」

「えぇ。何ですか? 何か悪いことでも?」

「いや……」

それだけ愛されている。そう思って良いのだろうか?

「まぁ、いじられて反抗しきれていない貴方も相当滑稽で面白かったですが」

「うるせ……痛っ!?」

腕枕をされていた状態からいきなり身体を起こした薫は走った痛みに思わず顔をしかめた。

「……先程から起きるな、と再三申し上げたでしょう」

「――っ」

言葉も無くくたばる薫に橘は呆れ、言った。

「貴方はいつになったら賢くなれるんですか?」