「寝てなんか…」

「彼女がいるからって嘘つかないでよ?あのとき、二人で逝ったの覚えてるんだけど」

「早く帰れって!」

「また来る。ばいばい光輝。ばいばい彼女さん」

「…………」

しばらく沈黙が続く

そこで光輝は口を開いた

「あいつ従姉妹の美樹。付き合ってたとかじゃねぇ」


光輝のこんな表情を見たのは初めてのことだった

「俺は付き合ってもない奴と寝る最低な男なんだよ…」

「最低なんかじゃない…。でもあたしは…。性欲で満たされた恋愛なんかしたくないっていうわがまま…」


「ごめんな…菜津芽………」

「あたしこそごめん…」



この時の一秒一秒は
すごく長く感じた













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