日にちと待ち合わせも決めたし、東京案内をしてあげるって言う約束をした。
だけどそれからというもの、メールの返信が返ってこなくなった。
「忙しいのかな?…こんなにメールが返ってこないことなんか今までなかったのにな」
何度も最後に送ったメールを読み直す。
【尚君、大人っぽくなってるかな?私は相変わらずだよ~】
「…変な事書いた、かな?」
パタンと携帯を閉じて、ベッドに横になる。
約束は明日の土曜日。
「明日だよ?…何かあったわけじゃないよね?」
でも会えるんだから、メールが返ってこなくても気にしなくていいよね?
明日会える、んだよね?
ずっと半年間この日を待ってたんだよ…。
「尚君に、“明日楽しみだね”って言って欲しかったな」
そう思いながら、夢の中へと入ってしまった。
“みちか!久しぶり”
“会いたかったね”
相変わらず眩しい尚君の笑顔と、夢の中で会うことが出来た。
“メールで毎日話してたから、久しぶりに感じないね”
“大丈夫?寒くない?寒いの苦手だってメールに書いてあっただろ?”
そんな風に話している自分達の姿。
だけど、尚君の顔だけは曖昧に濁っていて良く見えない。
その後に出てきたのは、
海の中で子供を助けたときにカッコよかった尚君。
何度も何度も笑顔を見せてくれた尚君。
離れたくなくて、帰りたくないと泣きじゃくる私をそっと抱きしめてくれた尚君。
朝早くなのに、お見送りに来てくれた尚君。
今度は濁ってなんかなくて、はっきり顔が見えた。
半年前のリアルな情景が浮かんで、私は夢の中で嬉し涙を流したんだ。