なんだかんだで、旅行は決定。

もちろん行き先は海。


真っ青な綺麗な海が広がる。

「わぁー!ヒーちゃん!綺麗〜」
水着に着替えた私達は、熱いほどの砂浜を猛ダッシュ。


子供の時ぶりの海は、海の匂いも肌に触れる風も、全てが新鮮だった。


パラソルやシートで場所を取り、荷物を置く。


その間も、早く海に入りたくてうずうずする。


「ヒーちゃん行こ!」

ちんたらと日焼け止めクリームをぬっているヒーちゃんの腕を掴み、おもいっきり急かす。

「いたたた!ちょーと待って!」

「やだやだ!はーやーくー」

砂浜でジタバタしていると、


「あはっ」

っと誰かが笑いだした!


・・・?

不思議に思って横を見ると、黄色と赤の海パンをはいたお兄さん。
真っ黒のサングラスに手には望遠鏡。

監視塔の上から、私のことを見ていた。

「監視員さん?」


・・・私今笑われた?

じーっと見ていると、ゆっくりとサングラスをはずし

「はしゃぎ過ぎて溺れないようにね」


そう言って、

ピッカピカの笑顔を私にくれたんだ。