「うっせ・・・。なんだ?」

そこに立っていたのは片方の手のひらで耳を押さえながら、怪訝な顔をするヒロ。


ヒロ、一人。もちろん手にはお買い物袋。


「・・・一人?」


「は?例えば誰がいんの?」


私の質問に更に眉間のしわが深くなる。


綺麗な顔立ちの人程、怒った顔は怖いものだ。


「でも、良かったぁ・・・襲われるかと思った・・・」


ホォっと安心のため息を吐くと、隣では呆れたようなため息をつかれた。


「俺が悪い仲間でも呼び行ってたと思った?」


ドンっと買ってきたものをカウンターに置いて、私の方へと振り返った。


「そんで、お前を襲おうって?」


「いや、その・・・疑ってた訳じゃないのよ?ただ、初対面だし・・・」


「まぁ、言いたい事は分かるけどな。女ならそん位疑ってた方が安心だし。」


だけど・・・そう言いながら買ってきたミネラルウォーターをグビっと喉に入れた。


クイっと手の甲で口元を拭いた後、


「だけど、襲いたい体系じゃねーから安心しとけ」


そう言って、冷蔵庫の方へ向かってしまった。


「なっ!」


なななななっ


なんなんだっーーー!!