【尚君に会えた!?(ノ´∀`)楽しんでね!】
送り主はヒーちゃん。
期待してないって言ったら嘘になるけど、本当は・・・
「その顔は、来てないよな」
「ごめっ」
止まった涙も、すぐに溢れてくる。
ここまで経ったら待ったって、どんなに待ったって来るわけ無いのに。
グイっと涙を手の甲で押し上げる。
ハンカチを取りたいけど、カバンはヒロの背中辺りにある。
今更だけど、泣き顔を見られたくない。だってこの人に会ってから、私は泣いていてばかりだ。
しょうがない事かもしれないけれど、泣いてばかりじゃ失礼だ。
「・・・」
だけど今は涙をひっこめて作り笑いをする気分にはなれないんだ。
「ここ、開店まであと3時間だから。・・・俺は買出し行くから留守番しといて」
「えっ!」
「帰ってもいいけど、・・・一人になりたい時もあるだろ?」
そう言うと、重たいドアを開けて、外へと出て行ってしまった。
・・・ヒロの優しさが、今の私には痛いくらい響いて。
今は家に帰ってヒーちゃんに報告する気にもならなかったから。
一人で大声で泣きたかったから。
「うっ・・・」
初対面だけど、ヒロのことなんて名前くらいしかまだ知らないけれど、
初めて会った気がしなくて。
一人になりたかったはずなのに、
ソファから消えたヒロのぬくもりが、すごく寂しかった。
「うわぁぁん」
だから、ただひらすらに大声で泣き続けたんだ。