《倉木先生》 その名前を聞いただけで顔がほころんだ。 どんな雑用だって、一緒にいられるなら構わないと思うあたしは、 バカだと思う。 でも、バカでいいよ。 「はい!」 笑顔で返事をし、長い色素の薄い髪をなびかせ教室をあとにした。 「あんな嬉しそうな顔しやがってー。」 佐々木は一人残された教室でブツブツぼやいていた。