・・臨終の直前でしたので、ありがとうの意味など考える余裕もなく、ただ深い悲しみに茫然自失しておりました。


そして少し時が経ち、思い起こせば、様々な意味が含まれていたんだなと思います。


自ら犠牲にして私の命を助け、悔やんでも悔やみきれないはずの美雨の最後の、言葉の持つ意味を・・。


美雨が、貴方様から教えていただいた「人生の四つのエピソード」、生まれ、結婚し、親になり、そして死ぬこと。


そのひとつひとつにはたくさんの人がかかわり、支えられ励まされていること。

美雨は、生まれ死ぬことしか経験できませんでしたが、そこにかかわってきた人たちへの感謝の気持ちを表したかったんだと思います。


すべて美談のように聞こえますが、愛する女性をこのような形で失うとは。


貴方様から教えていただいた無償の愛とは、身代わりになって死ぬことなのでしょうか。


申し訳ございません。もうこれ以上お伝えすることはありません。


まだもう少し、時が経たないと、受け入れられません。貴方様にもうメールすることも、会うこともないでしょう。


貴方様の悲しみの度合いは分かりかねますが、美雨の分まで貴方様を始め多くの友人が幸せに過ごせることを、美雨共々お祈りをしております。


最後に、もう一通、未送信で残っているメールがありました。


サイトに投稿するつもりのものだと思います。このあと送信させていただきます。


それでは お元気で。」