「この様な形でのご連絡、申し訳ございません。

単刀直入に申しますと、美雨は、7月13日深夜、永眠いたしました。

突然のことで私も含め美雨のご家族も取り乱し、一週間という時間が経ってしまいました。事故死でした。

生前は仲良くしていただき、本当にありがとうございました。ネットや携帯でのお付き合いが把握できず、何人かの女性のお友達にも報告いたしましたが、これから事実を知らないお友達から送られてくるメールに関しては、折を見て連絡していきたいと思っております。


実のところ、貴方様にはメールでこのことを知らせること自体、ついさきほどまで迷っておりました。


知らせる必要もない、とまで思っておりました。説明なくともそこのところはお汲み取りください。


しかしながら、美雨の無垢な心が私を決心させてくれました。


美雨の口から、直接貴方様のことは知りました。土曜日に江ノ島に行かれたこと、美雨の悩み、苦しみを根気よく聞いてくださったこと。


そして、私たちの婚約を祝福し、美雨の背中を後押ししてくれたこと。もちろん、最初に聞いたとき私は、美雨に婚約者がいることを承知で誘い出した貴方に激しい怒りを覚えました。


しかし、美雨の純粋に訴えかける姿に黙るほかありませんでした…。