そして、悲しみにくれる。読んだことを後悔する。

懐かしくて微笑むことなんかないんだ。


忘れなきゃ、忘れなきゃと思いつつ、

雨の季節がくると、読み返す。

そして、暑い夏をやり過ごし、秋が深まるのを待ちわびる。

その季節になると、もうメールを読み返すこともなくなるんだ。


……なぜなら、街中に君の好きな香りが漂うから。

君を五感で感じることができる。

そんな一年を

もう二回ほど繰り返した。



君が大好きすぎて
お花屋さんで働くことも決めちゃったいろんな花々も、

その中で特に好きなあの花も、

向かい合わせで座って、風景をのんびり楽しんだ江ノ電も、

最初で最後のデートで訪れたこの江ノ島も、

そこに咲き乱れる花たちも、

その日に降った大雨も、

けっしてこの世からなくなることはないから。