美雨・・26歳。

住んでるのは、同じ神奈川県だ。

趣味は、お花の観賞、ブーケ作り、絵本。やけに可愛らしいな、この年齢にしては。

職業は・・、「お花屋さん」か。

可愛らしいというか、やけに子供っぽいな。

僕は決して変な趣味はないが、女性の場合、年齢相応あるいは年齢より上に見られる落ち着きを持った
女性というのが苦手だった。


どちらかというと、いつまでも少女のような気持ちでいられるような、素直な女性が好きだった。

薫とは正反対っていうのもおかしなものだ。

でも、なにゆえ僕のページに足跡つけたんだろう。

偶然かな。偶然だろう。どうみても趣味が一致してる部分もないし。

日記を読んでみる。まだ四つくらいしかない。

まあ、なにも書いていない僕よりはましかもしれない。

日常のことを書いているようだが、随所に「花」が出てくる。よほど好きなんだろうな。

だから花屋の店員なんだろう。

僕が次の日記も読んでみたい気持ちになったのは、文全体から暖かな風が吹き込むような、そんな優し
さを感じたから。

僕は読書家のほうだし、エッセイをよく読むほうだ。
彼女のあまりにも素直な文体は、さっきまでのどんよりとした気持ちにすこしずつ陽がさしてくるよう
なものだった・・。

いまだどんなエッセイストからも感じたことのないような、不思議な気分だった。